田村です。
最近は不景気で仕事を失う人も多く、常に人手不足な介護業界はある意味で注目が高まっています。
しかし、介護業界と言えば、「きつい、きたない、危険」の3K労働の代名詞です。
「3K労働とはよく聞くけど、ネットで調べてみると介護はやりがいがある仕事だって意見をよく見るなあ・・・」
確かに、私も介護の仕事にやりがいを感じる時が(たまに)ありました。
しかし、介護のやりがいをプッシュしているサイトって、私が確認した範囲では老人の暴言・暴力に触れていません。
あの暴言・暴力の凄まじさを抜きにして介護の現実は語れないはずなんですがねえ・・・
ちなみにプロフィールにもある通り、私は元介護士なので老人の凶暴さは身に染みて理解しております。
というわけで、現場目線で介護業界の現実をお伝えしたいと思います。
Contents
介護職はきつい!はっきり言ってやってられない
さて、「介護の仕事はきついか?」に対する私の答えですが、はっきり言って介護はきついです。
では介護の何がきついのか?
それは大きく分けて、「肉体的な負担」と「精神的な負担」に分かれます。
というわけで、1つずつ確認していきましょう。
介護職の肉体的な負担とは
介護は思いっきり肉体労働です。
利用者の居室の引っ越しを始めとして、結構な重労働があります。
また、毎日の仕事として行う身体介護も介護士の体に負担をかけます。
特に立てない老人をベッドから車イスに移乗させる作業なども、体重が重い利用者だと一苦労です。
他にも、ベッド上のおむつ交換でも、自分で横を向けない利用者だと、こっちは片手で相手の体を横に押し倒し、もう片方の手でおむつの処置をしなければなりません。
ちょっと言葉では伝わりにくいので、動画を探してきました。
この動画の2分30秒あたりから、介護士が模擬患者を横に向けてますよね。
その後、介護士は両手を離しても、模擬患者は自力を横を向き続けています。
しかし現実には、手を離すと仰向けに戻ってしまったり、横を向けると勢いよく放尿してくる利用者もいるわけです。
だから、片手は利用者を横向きに固定して、もう片手でおむつの作業をします。
これがまた、肘や肩に痛みが走る時にはすごく苦痛を感じるわけです。
よく介護士は腰を痛めると言いますが、私の場合はこうした理由で肘と肩に痛みが走ることが多かったです。
また、老人を立てらせたり担いだりするので、腰、膝、足首はどこかしら故障します。
「介護士は湿布とコルセットがお友達」という情報はガチなので、この仕事をやるなら覚悟しましょう。
さて、仕事そのものの肉体的負担の他にも、職場環境から来る肉体的負担もあります。
具体的には・・・
- 人手不足のせいで休日がない(超過勤務)
- サービス残業の横行
- 夜勤1人で20~30人の面倒を見ないといけない
まあこういうことも、介護の職場では日常茶飯事です。
特に夜勤は肉体的な負担が半端ないので、よほどお金に困ってない限りはおすすめしません。
私も夜勤をやっていたことがありますが、明け方になると足が疲労で震えることもありました。
また、生活リズムが乱れることでくらうダメージも大きいです。
若かったらまだ夜勤もやってられますが、中年以降の夜勤は冗談抜きで命を削るので控えた方がいいでしょう。
このように、介護士の勤務内容や仕事内容だけでも体に故障を起こすには十分です。
しかし、介護士へさらなる肉体的負担をかけるものがあります。
それは「利用者からの暴言・暴力」です。
利用者からの暴言・暴力については後で詳しくやりますね。
介護職の精神的な負担とは
仕事はどんなものであれ、責任やプレッシャーからくる精神的負担があります。
それでは、介護特有の精神的負担とはどのようなものでしょうか。
私が思うに、介護士特有の精神的負担はこの3つでしょう。
- 人間関係の劣悪さ
- 介護士の人権を完全無視
- 将来への不安
まず、人間関係の劣悪さですが、これは介護の仕事を辞める理由のトップです。
ちなみに平成29年度の調査では、人間関係を理由に挙げた人は20%でした。
※公益財団法人・介護労働安定センターの平成29年度介護労働実態調査結果の15ページ参照
まあ、私も人のことは言えませんが、介護の仕事に流れてくる人って他に仕事を選べない人が多いんです。
そして職場そのものが陰険・陰湿で職員の大半は常に誰かの粗探しをしており、ヒマさえあれば陰口を叩きます。
「SNSで噂は聞いていたが、まさか本当だったとは・・・」
ええ、この情報はガチです。
あと、頑張る人間からバカを見るのも本当です。
ちょっと頑張ると、なんか次から次へと仕事を押し付けられるようになります。
「それは田村のいた職場だけだろ」という声もあるでしょう。
しかし、同業者の話を聞いたり、SNSや掲示板を見ると「ああ、どこも似た様な感じか」と思いましたけどね。
さて次に、介護士の人権が完全無視されていることについてお話します。
老人からの暴言・暴力は後で詳しくやりますが、はっきり言って虐待されているのは介護士の方です。
介護士が受ける暴言・暴力は完全に人権侵害や傷害罪の領域なのですが、そこに対するフォローって全くありません。
というか、そういうことを上司やハローワークに相談すると、ほぼ確実に自己啓発要素の入った研修を勧められます。
その内容とは・・・
- 問題行動を起こすお年寄りなんていません
- お年寄りの言動は1つ1つに意味があるのです
- 私たちはその意味を紐解き、プロとして最善のケアを行う義務があります
どうせこんな感じじゃないでしょうか?
ちなみに私が昔もらった資料に、「問題行動を起こすお年寄りなんていません」って本当に書かれていて、「意義あり!」と危うく叫びかけました。
「この資料を作ったヤツはどこに目がついてんだよ!どこの施設を見たって問題行動だらけだろうが!」
と言いたいところですが、講師の建前としてはそれは私たちが一方的に問題行動と見なしてしまっているだけなんだそうです。
そんなこんなで、「介護士に対する人権侵害はない」ということにされてしまっています。
その証拠に、テレビや新聞などで介護士への人権侵害が話題に上がることはありません。
「何をされても泣き寝入りをしろ」というのが介護士の現実です。
もし、飛びぬけて凶悪な利用者が入ってきて、ハサミを持ってあなたに襲い掛かってきても、あなたの立場になってかばってくれる人はいません。
- あなたのケアに問題があったからだ
- 声かけの仕方を工夫しましょう
- ケガをした?労災は認めないからね
どうせ会社の対応ってこんな感じなので、この仕事をやるならそういうところも覚悟しましょう。
最後に、将来への不安について解説します。
ここまで見た来たように、介護士の仕事は肉体的にも精神的にもとても負担が大きいものです。
それでも、この負担に耐えることで明るい未来を得られるならまだ報われます。
しかし、介護士に明るい未来はありません。
※一部の勝ち組施設の職員を除く
まずは介護士の年収と将来性をご覧ください。
- 給料は安い
- 国は介護報酬を上げる気はない
- 資格を取っても肩書と責任が増えるだけで収入は増えない
介護士の年収と将来性を読んでいただければ、こうした現実を理解できるでしょう。
特に絶望的なのが、3年間の実務経験を必要とする「介護福祉士」を取っても収入が上がらないことです。
なぜなら、初任者研修という初級資格の人が提供するサービスと、介護福祉士が提供するサービスの価格が同じだからです。
そりゃ介護福祉士を持っているからって、資格手当を1万円も2万円もポンと払ってくれる会社なんて中々ありませんよ。
このように、「負担に耐えても報われない」という絶望感が、介護士の精神をむしばんでいきます。
だからメンタルをやられて心療内科いきになる介護士も多いんです。
いやはや、まあ本当に介護は大変な仕事です。
介護士が受ける利用者からの暴言・暴力について
老人(またはその家族)からの暴言・暴力は介護士の肉体および精神に多大な負担をかけます。
はっきり言っておきますが、便の処理なんて比較対象にすらならないほど、暴言・暴力で食らうダメージは大きいです。
「いやいや、いくら認知症でも、相手は同じ人間だよ?そんなめちゃくちゃな行動をするわけ・・・」
・・・それでは、「#介護士辞めたの私だ」で検索すると出てくるツイートを味わってください。
#介護士辞めたの私だ
こんなハッシュタグあったなんて。
9年介護士続けてきたけどやっと手取り20万。そこからさらに色々引かれるから実質17万くらい。入居者には殴られ、つねられ、噛まれ、暴言吐かれ。ボケてなければ、金を払ってやってんだと言われ奴隷かってくらい酷い扱いを受ける。— あおにゃん (@nyannyan_ao) September 20, 2018
今月いっぱいで辞めます。
ノイローゼになるような仕事量、
暴言、暴力、拘束時間の長い夜勤、とんでもない家族からのクレーム
守ってくれない施設(私がヒヤリ出した利用者家族に施設から名前売られたり色々あった)、私の施設はこれでも恵まれてると思うけど#介護士辞めたの私だ— イトウ (@shiomuta) June 14, 2018
毎週月曜日、男性スタッフだと暴力を振るう認知症の利用者様の入浴介助。
声をかけただけでも大声で恫喝される。
気の弱い男性スタッフではまず無理。
朝の服薬介助の際にも声をかけただけで暴力振るう。
しかしこちらは反撃出来ない、これでどうやって介護離職ゼロを目指す?— ルキナ (@Lucina_H_fake) June 10, 2018
首締められても襲われても利用者無罪泣き寝入りが当たり前の世界。殴りかかってきた利用者を避けたら、そいつが転んで、私のせいにされた。勿論家族も私にガチギレ。
突き飛ばしてもないのにねぇ#介護士辞めたの私だ
— 憂樹 (@yu_ki_real0) May 26, 2018
いかがでしょうか?
この程度の事例なら、どこの施設に行っても体験できるレベルのものでしかありません。
ちなみに私のいた施設でも・・・
- 腕に歯形が残るほど噛みつかれた
- 腕にミミズ腫れが出来るほど引っかかれた
- ハサミを持って襲い掛かってきた
- 杖を振り回して襲ってきた
- グーで殴る、叩くなどはしょっちゅう
- 普段は大人しくても、風呂の声かけなど特定の気に入らないことが起きると奇声や暴言を発する
こういうのはよく見かけました。
当たり前ですけど、これに対して一発でも殴り返したらこっちは書類送検になります。
しかし、利用者は何をしても無罪です。
利用者は、あなたの肉体にハサミを突き立てても無罪なんです。
介護士の給料を上げることも大事ですが、まずは介護士を暴力から守る法律が必要なのではないでしょうか。
介護士ってマジで虐待レベルの扱いを受けてるんで、介護士の人権を守る団体の1つや2つ、誰かに作って欲しいですよね。
介護の仕事のやりがいとは?
さて、ここまで介護の仕事の闇の部分を散々暴露してきました。
しかし、冒頭で述べたようにやりがいを感じる時も(たまに)ありました。
具体的には、家族や友達のような距離感で一緒にくつろいている時は楽しい時間でしたね。
それこそ、介護の求人サイトに書かれているような「優しい世界」がたまに実現するんですよ。
しかし、それもつかの間。
凶暴な利用者が暴れ出すとたちまち平和は壊されます。
はっきり言って大人しい利用者は凶暴な老人にビビっていることも多いので、もういい加減「問題のあるお年寄り」の存在を認めるべきだと思うんですけどね。
※介護の業界では「老人の問題行動は存在しない。全て介護士の技術不足」という建前になっている
おっと話が逸れました。
まあ、問題のある職員が辞めて、なおかつ問題のある利用者が入院などでいなくなったタイミングでは、介護の仕事ってめちゃくちゃ楽しく感じました。
もう本当に、そういうタイミングでは同じ仕事と思えないくらい生き生きと仕事出来てたわけです。
結局は、職員にしろ利用者にしろ、「誰と時間を過ごすか」にめちゃくちゃ大きく左右されるということですね。
介護士を辞めてよかったと思う時
さて、プロフィールにもある通り、私は介護業界に見切りをつけてブログで稼ぐ道に挑戦しました。
介護士の年収と将来性でも書いてますが、介護福祉士が提供するサービスと初任者研修修了者が提供するサービスの市場価値が同じなわけです。
そりゃ実務経験を積んで介護福祉士の資格を取ったって、給料なんか上がるわけありません。
また、ケアマネージャーという介護系の最上位職の人も何人か知り合いましたが、皆さん激務の割には薄給でした。
そんなこんなで、今からでももっと大きく稼ぐ手段を探した結果がブログだったんですね。
さて、結果として私は介護から卒業できました。
私としては、やっぱり介護士を辞めてよかったなと思っています。
理由としては、以下で十分でしょう。
- 体中の関節の痛みがなくなった
- 暴言・暴力を浴びることがなくなった
- 介護士やってた時よりはるかに収入がある
- 遊びに行く時間とお金の余裕がある
まあ、凶悪な利用者とモンスター職員がいなければ、たまには気晴らしに現場に入ってもいいんですけどね。
先ほど述べたように、“そういう時は”介護もすごく楽しいですからね。
まとめ
さて、介護の現場の闇を色々と暴露してしまいました。
ただ、介護のやりがいまでは全否定しません。
確かに、この仕事には楽しいこともありました。
ただ、一部の凶悪な利用者から食らうダメージがあまりにも大きすぎただけのことです。
さて、介護士に限らず、私と同じように明るい未来が中々見えない境遇の人もいるはずです。
そのような、私と似た境遇の人が人生を好転させるきっかけを作れたらいいなという気持ちで私はこのブログをやっております。
なので、プロフィールを見てもらってブログビジネスに興味がわいたのなら、お気軽にメッセージをくださいね。
それでは今日はこの辺りで失礼します。
ここまでご覧いただき、ありがとうございました。
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